魚へんに喜(よろこび)と書いて「鱚」。これはなんて読むのでしょうか?郷土料理やレストラン、漁港などで見かけた時に読めずに疑問に思う人が多いのではないでしょうか。この記事では「鱠」の読み方や慣用句、気になる魚の特徴について解説していきます。
鱚の読み方
鱚は「きす」と読みます。
キスはスズキ目スズキ亜目キス科(学名:Sillaginidae)に所属する魚類の総称です。
鱚はどんな魚?
キス科にはホシギス、アオギスなど、沿岸の浅い海で暮らす種類を中心に約33種が記載されています。キス類は細長い円筒形の体型を持ち、吻(口先)はとがっており、砂底に潜む獲物を探るために利用されます。全長は45cm程度に成長する種類が多く、最大で70cmに達することもあります。
鱚で有名な料理
キスは食用に利用されることが多く、特に塩焼き、刺身、天ぷら、フライなどの料理に適しています。身は脂肪が少なく柔らかい白身で、美味とされています。
江戸時代の将軍(徳川将軍)は鱚が縁起の良い食べ物として好み、「鱚両様」として、「鱚の塩焼き」と「漬け焼き」の2種類を食べることが日課でした。
鱚の漢字を使った慣用句と語源
鱚の漢字を使った慣用句としては、「痩せぎす」があります。これは細長い円筒形の体型から来ていると考えられています。
また、キスの語源には諸説あり、「岸」が変化したもの、味が淡白なことから「潔し」が転訛したもの、すぐに群れることから「帰す」に由来するとも言われています。