メダカを漢字で書くと4通りあることを知っていますか?「目高」「麦魚」「撮千魚」「鱂」どれもメダカと呼び、その時の時代によって由来や使い方が若干違うのが特徴的です。現在では「めだか・メダカ・目高」が一般的な表記になります。この記事ではメダカの漢字のそれぞれの由来について解説していきます。
目高の由来
メダカの眼は、体の割に大きく、頭の上部に位置しています。横から見ると、眼が体の上方に突出しているように見えます。「目高」という表記は、このようなメダカの眼の特徴を表現しています。
メダカの眼が体の上方に位置していることには、生態学的な理由があると考えられています。メダカは水面近くを泳ぐことが多く、上方に位置する眼は、水面上の昆虫などの餌を見つけるのに適しているのです。また、上方に突出した眼は、水面上の危険を素早く察知するのにも役立ちます。
「目高」は、このようなメダカの眼の特徴と、その生態的な意味を表現した表記だと言えます。
なお、「目高」は、メダカを表す漢字表記の中で最も一般的に使われています。ひらがなの「メダカ」と並んで、メダカを表す代表的な表記の一つです。
麦魚の由来
古くから、日本語では小さいものを表現するのに「麦」という字が使われてきました。例えば、「麦粒」(ばくりゅう)は小さな粒を表し、「麦芽」(ばくが)は発芽したばかりの小さな芽を表します。
同様に、「麦魚」という表記は、メダカが麦粒のように小さな魚であることを表現しているという説もあります。
他にはメダカを食べる習慣があった時代に「麦のように小さい魚(メダカ)を食べると目に良い」や「食べると出世する(芽が出る)」言った言い伝えから麦魚と表記される時代もあったと言われています。
撮千魚の由来
「撮千魚」の由来は諸説ありますが、有力な説の一つは、メダカが大量に群れを作る習性と簡単に捕まえることができるということから由来するというものです。
メダカは水田や小川、池などの浅い水域に生息し、オスとメスが寄り添って泳ぐ習性があります。また、メダカは数十から数百匹の群れを作ることが多く、まるで1つの大きな生物のように見えることがあります。
「撮千魚」という表記は、ひと掬いで千匹は捕まることができる魚という意味で知られています。
鱂の由来
鱂の由来は不明です。
しかし、鱂は魚へんと将という漢字で成り立っていることから成り立ちをある程度推測することができます。将という漢字は軍を率いる、統率をする者を表す漢字です。
一方でメダカは群れを形成しやすい魚で、水田や川ではひとまとまりで泳ぐ姿や先頭を追尾して泳ぐ姿に軍を率いている姿を連想し、魚+将という漢字を合わせて鱂という漢字が生まれた可能性が高いと言えます。